無鉛ボードXP
製品について
Q. 無鉛ボードXPの放射線を遮へいしている原材料は何ですか?
A. 天然重晶石から精製した、人にやさしいバリウム化合物が放射線防護の主成分です。
Q. X線防護材は鉛でなくても良いのですか?
A. 医療法施行規則や電離放射線障害防止規則に定められた線量限度以下に遮へいできれば、鉛以外の材料を使用することが可能です。例えばコンクリートや鉄板でも、適正な鉛当量(※)を確保できれば、遮へい材料となります。
※鉛当量とはコンクリートや鉄板等、鉛以外の遮へい材の遮へい性能を鉛の厚さに換算して表す場合の表現です。
放射線防護には鉛が長く使われてきたため、遮へい性能の基準として鉛当量が用いられるようになりました。
Q. X線室で鉛当量1.5mmもしくは2.0mmの遮へいが必要な場合、無鉛ボードXPではどのようにすれば良いですか?
A. 鉛当量1.5mm…無鉛ボードXP(厚み12.5mm:鉛当量0.75mm)重ね張り工法(2層張り)
鉛当量2.0mm…無鉛ボードXP(厚み15.0mm:鉛当量1.0mm)重ね張り工法(2層張り)
Q. 無鉛ボードXPの1枚の厚さは何ミリですか?
A. 厚さ12.5mm:鉛当量0.75mm
厚さ15.0mm:鉛当量1.00mmの2種類です。
Q. 無鉛ボードXP重ね張り工法(2層張り)の場合の厚さは何ミリですか?
A. 25.0mm(鉛当量1.5mm)=12.5mm+12.5mm
30.0mm(鉛当量2.0mm)=15.0mm+15.0mmです。
Q. 無鉛ボードXPの質量はどれくらいですか?
A. 12.5mm:約30kg/枚、約18.5kg/m2
15.0mm:約40kg/枚、約24.5kg/m2です。
Q. 無鉛ボードXPのメーカーはどちらですか?
A. 医建エンジニアリング(株)がメーカーです。
Q. 無鉛ボードXPは医建エンジニアリングの責任施工ですか?
A. 無鉛ボードXPは材料販売製品です。
Q. 無鉛ボードXPは不燃材料ですか?
A. 不燃材料です。防火材料認定番号は『不燃:NM-3472』です。
Q. 耐火構造壁にX線遮へいが必要な場合、どうすれば良いですか?
A. 無鉛ボードXPは耐火構造の大臣認定*4を取得しております。
*4…耐火認定番号(断熱材なし):FP060NP-0349/耐火認定番号(断熱材あり):FP060NP-0351
Q. 鉛付きせっこうボードと比較したメリットは何ですか?
A.
《メリット》
(1)鉛を使用しないため、環境にやさしい放射線防護材です。
(2)軽量かつ丈夫なため、施工スピードの向上が可能となり、工事期間の短縮にも貢献できます。
(3)バリウム化合物は価格の変動が少なく、長期に及ぶ計画であっても、安定した価格で供給することができます。
(4)不燃材の認定を取得しており、幅広い内装制限に対応可能です。
(5)せっこうボードと同様、簡単に解体・廃棄ができます。また、吉野石膏(株)が指定するリサイクルルートで回収が可能です。
Q. コストは従来の鉛付きせっこうボードに比べ安価ですか?
A. 鉛付きせっこうボードの価格は鉛の相場で変動しますが、無鉛ボードXPの価格は安定しています。
無鉛ボードXPの価格についてはお問い合わせください。
将来の解体撤去時、鉛付き石こうボードなどの鉛板を用いた放射線防護材は特別管理産業廃棄物に該当するおそれがあり、廃棄手続きが複雑になり廃棄のための費用もかなり掛かると考えられます。
Q. 無鉛ボードXPの廃棄はどのようにすれば良いですか?
A. せっこうボードと同様、簡単に解体・廃棄ができます。また、吉野石膏(株)が指定するリサイクルルートで回収が可能です。
Q. 保健所へ提出するX線装置備付届等の書類には、無鉛ボードXPを何と表記すれば良いですか?
A. 『無鉛X線遮へい石こう板』と表記してください。
Q. 無鉛ボードXPはどのX線室でも使用可能ですか??
A. 管電圧150kVまでの歯科用X線装置を使用するX線室に対応しています。
施工について
Q. どのような下地が必要ですか?
A. 軽鉄下地でも木下地でも施工可能です。必要な重量に耐えられるように、下地を施工してください。
Q. 無鉛ボードXPはGL工法で施工できますか?
A. GL工法で施工はできません。通常の石こうボードに比べ重いため、下地にビス留めしてください。
Q. 無鉛ボードXPは1層目・2層目ともにビス留めですか?
A. 壁面2層張りの場合は、1層目がビス留め、2層目がボンド併用タッカー留めとなります。天井面に使用する場合は、1層目・2層目ともにビス留めしてください。
Q. どんなビスを使うのですか?
A. 軽鉄下地に取付ける場合は、軽鉄下地用のフレキビス(リブ付き)を使用してください。また木下地に取付ける場合は、木下地用のフレキビス(リブ付き)を使用してください。
Q. 建具との取合いはどうすれば良いですか?
A. 建具枠周りからのX線の漏えいを防ぐため、建具枠から出ている鉛と無鉛ボードXPをラップさせます。
Q. ボードとボードの継ぎ目(目地)の処理はどうするのですか?
A. 無鉛ボードXPの1層目と2層目の目地をずらして重ね張りすることにより、継ぎ目の処理は不要です。隙間が生じる場合には、無鉛パテを充填してください。
Q. 無鉛ボードXPの2層目はVカットしても良いですか?
A. かまいません。その際には無鉛パテを充填して下さい。無鉛パテを充填しなかった場合、X線の漏えいに繋がる恐れがあります。
Q. 無鉛ボードXPで施工する際、設備防護はどうするのですか?
A. 基本的には鉛板を使います。
Q. 無鉛ボードXPにクロス貼りや塗装の仕上げはできますか?
A. 下地調整用シーラーを塗布処理後、クロス貼り・塗装を行ってください。
Q. 下地調整用シーラーは何を使えば良いですか?
A. クロス用・塗装用のシーラーをお使いください。
《推奨品》
クロス用シーラー:スーパータックR(吉野石膏)
塗装用シーラー :水性ホワイトシーラー(日本ペイント)、EPシーラー(関西ペイント)、パーメイトシーラーⅡ(トウペ)
Q. 床面防護に無鉛ボードXPは使用できますか?
A. 使用できます。ただし無鉛ボードXPが損傷した場合、鉛当量が確保できなくなる恐れがありますので、ベニヤ等の上張りをお願いします。
Q. 床使用の場合、シンダーコンクリートの上に直接張れますか?
A. 張れません。何らかの下地をお願いします。
無鉛パテについて
Q. 無鉛パテは無鉛ボードXPの全ての目地に必要なのですか?
A. 隙間の生じたところにパテを充填してください。
無鉛ボードXPの特徴のひとつに、スクウェア・エッジがあげられます。これによりボードとボードの目地を隙間なく連続して張ることができ、鉛付きせっこうボードより早く施工ができます。
Q. 無鉛パテは1層目にも使いますか?
A. 突きつけで張れるので基本的に必要はありません。隙間が出来た際には無鉛パテで処理してください。
Q. 無鉛パテは内装用のパテとは別ですか(内装用パテとして兼用できますか)?
A. 放射線遮へい専用のパテのため、内装用のパテとは別です。
無鉛パテを充填することにより、内装用の下地パテは充填せずにすみますが、内装用の仕上げパテを塗ってから仕上げを行ってください。
よくある質問
Q. 鉛付きせっこうボードに比べて壁厚が変わりますか?<
A.
《無鉛ボードXPの場合》
鉛当量1.5mmの場合:12.5mm+12.5mm=25.0mm
鉛当量2.0mmの場合:15.0mm+15.0mm=30.0mm
不燃材の認定を取得しているため、無鉛ボードXPの上に仕上げが可能です。
《鉛付き石こうボードの場合》
鉛付きせっこうボードは単体での不燃材の認定がございません。
不燃認定が必要な場合、GB-R 12.5以上が必要です。
例)
せっこうボード12.5mm+鉛1.5mm+鉛テープ1.5mm+クリアランス2.0mm+GB-R12.5mm=30.0mm
せっこうボード12.5mm+鉛2.0mm+鉛テープ2.0mm+クリアランス2.0mm+GB-R12.5mm=31.0mm
また鉛付きせっこうボードでは、継目に鉛テープを使用するため、不陸が生じます。
不陸を解消するためには、9.5mmせっこうボードの上張りが必要になります。
例)
せっこうボード12.5mm+鉛1.5mm+鉛テープ1.5mm+クリアランス2mm+せっこうボード9.5mm=27.0m
せっこうボード12.5mm+鉛2.0mm+鉛テープ2.0mm+クリアランス2mm+せっこうボード9.5mm=28.0mm
Q. 入隅・出隅の納まりを教えてください。
A.
Q. 無鉛ボードXPは何で切断できますか?
A. 電動丸鋸を使用して切断してください。開口部分は廻し挽き(まわしびき)ノコギリ、ホールソーが使用できます。
その他
Q. 無鉛ボードXPの上に合板等をビスを使って固定できますか?
A. できません。無鉛ボードXPに固定するのではなく、下地に固定してください。